●●　無謀だからこそ挑戦さ　●●

　とうとつですが、今日から無謀な挑戦をして、その成果を記録にとってみようかと思います。
　最初にお断りしておきますが、これから於來が翻訳した作品は、本物のアメリカ人やイギリス人に通じるものなんかでは、全っ然ないと思って下さい。笑いをとるためにやってます。脱力して笑う気力も失ったときには、ペーソス（哀愁）の世界に逃げこんだりもします。
「こんな程度の奴でも、いっちょうまえに挑戦だけはするんだなあ」
　という、まあバカの見本市に立つくらいの感覚だったりします。
　英語が得意な方からのアドバイスは歓迎いたしますよ～。

【挑戦者のレベル】
　於來　見沙都／女／3X歳／レベル１
　人並みに義務教育を受け、可も不可もない地元の進学校に通い、親のすねをかじりつつ大学まで出してもらったが、まじめに英語を勉強したのは中学まで。大学では完全に脱落、泣きながら基礎単位をとって打ち止め。
　ゆえに英語に触れたのははるか昔のこと。サイフ同様記憶は薄く、現在のレベルは低い。

文法レベル……中卒よりも悪い。三人称のsなんて、こないだまですっかり忘れていたわ。前置詞なんてなにをおいたらいいのか分からない。
語彙（ごい）力……アタマに残っている単語の数は非常に少なく、中学校の教科書を眺めても分からないところだらけ。

　すごい、ほんとに無謀だ。
　こんなわたしの、笑える……じゃない、心強い味方は翻訳サイト。ありがたく利用させていただくのは【excite翻訳】であります。
　手順は次のとおり。

　まずここの“ウェブページ翻訳”で、自分の小説をエイヤッと英訳してもらいます。
　次に、シロウトが見てもなんか変でないかい？　という部分を探し出し、主語・述語をおぎったり、翻訳プログラムの手に負える程度の長さにちょ切ったりして、再挑戦。このときは同サイトの【テキスト翻訳】のお世話になります。
　それでも自信がないときには単語単位で検索。
　最後の手段は手元の中学生辞書。

　こんなもんでどうでしょうか。

【翻訳する作品】
　文学きどりで好かれないかもと思いつつ、『月の虹』をチョイス。400字詰め11枚と短い作品なので、お手軽っぽい。わりと短文で構成されているし、“辞書にも載らないようなくだけた表現”が、ほとんどないのがポイントです。主語・述語の省略も少なめで、省略部分は簡単に補えるような文法構成。ファジーが少なくてプログラム向きってことですね。
　本当は『もいちどチャンスを』というお話の方が短いし、エンタメ要素が多めで“日記の素材”としては良さそうだったんだけれども、実際にページを翻訳させてみて、一発却下となりました。
　理由は口語体が多すぎるから。翻訳プログラムが最も苦手とするタイプの文章だったりします。書いた本人も困っちゃうような暗喩（あんゆ）表現があるし。

【第１日目】
　さっそくexcite翻訳に行って、問題の作品をまるごと訳させてきました。まずは出だし部分をご覧ください。

月の虹
The rainbow of the moon

　山奥の竹林のそばにかぐや姫というあだ名の老婆が一人、住んでいる。なめらかな肌と切れ長の目が美しかった時分からいつも月を見ていた。縁側に座って見あげる顔は、月の光を浴びて白く輝いていたという。
The old woman of a nickname called Moon Princess lives near Takebayashi in the heart of the mountains one person. It went out with the smooth skin and the moon was always seen from the time whose eyes of merit were beautiful. It is said that the face seen [ is sat down and ] and raised to a veranda basked in the light of the moon, and was shining white.

　タイトルの『月の虹』は、"The rainbow of the moon"となっておりますが、"The moonbow"が正式だと思います。月の光でできた虹のことですね。the rainbow of the moonという言い方もあるのかも知れませんが、ここではmoonbowにしておきましょう。作品の都合により、ところどころthe rainbow of the moonも使わせていただきます。こういうふた通りの言い方があったということは、この作品にはたいへん好都合でありました。
　それにしても、翻訳プログラムのくせに“かぐや姫”をちゃんと訳せるなんて驚きです。Moon Princessというのかあ、なるほど！　日常あいさつすらロクに訳せないのに（こんにちはをtoday isとやったりするんだよね）、妙なところでカルトなプログラムだわ。
　ということで、本文には明日から入っていく予定です。

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