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於來見沙都(おきみさと)の無謀なる挑戦! ――翻訳サイトで自分の小説を訳してみよう

● 立ち直って8日目 ●

 せっかく訳したファイルが壊れてしまい、立ち直るのに時間がかかりましたが、なんとか再開しました。
 今日はここをやります。

 子供たちを促してかきねの戸口に手をかけると、男は思い出したように振り返った。
When it urged to children, they were written and the hand was applied to the door of ね, the man turned round, as remembered.
「ああ、そうだ……。虹を見るなら月を見ちゃいけませんよ」
"Oh, that is right .... If a rainbow is seen, don't see the moon."
「え、月はだめですか」
"You obtain. Are you useless for the moon?"
「あれは光とは反対の方にかかるものですから」
It is "since it is that to which light requires that for reverse one."
老婆はしばらく黙ったあと、転がるように笑い出した。ひどく高くよく通る声だ。笑いながら声だけが段々に若返っていき、竹林の暗がりからこだまが返っているかのような奇妙なうねりになっていった。
After becoming silent for a while, the old woman burst into laughter so that it might roll. It is the voice along which it passes well awfully highly. Only voice is gradually rejuvenated with laughter and it became a strange surge as if the echo was needed on the contrary from Takebayashi's darkness.
「そうでした、わたしとしたことが!」
"The so thing considered as me!"
父子が驚いて見ているまえで、なおも老婆は笑い崩れている。
Before 父子 is surprised and is looking, the old woman has laughed and collapsed still more.
「村でいちばん頭の良い娘と言われていたあのころには、こんな間の抜けた間違いは絶対にしなかったでしょうよ!」
"Probably, the mistake from which such between escaped was not made absolute when [ that ] called the cleverest daughter in the village!"
子供が飛び帰ってきたかと思うと、父親の腕をしっかりつかんだ。
If it thought whether the child would have flown and come back, a father's arm will have been held firmly.
「帰ろう、お父さん!」
"Father who will return"!
言われるままに細い手に引かれて出ていこうとすると、?かぐや姫?は膝立ちになって月の光を浴びていた。
When it was going to pull and go away in the thin hand as it said, ? Moon Princess ? became 膝立ち and was basking in the light of the moon.
「これでやっとお迎えが来る」
"A person to meet comes by this at last."

 “戸口に手をかける”でいきなり詰まる。西洋風のドアなら“ノブを握ったとき”とかなんとか訳せるけれども、垣根の戸口にはノブがないよー。しかたがないので“戸に触ったとき”とやってみたりする。

 “転がるように笑う”が分からない。“あたかも転がっているかのように彼女は笑った”とかなんとか訳さなきゃいけないんだろーか。難しくって半泣きしながら調べまくる。――と、やけくそで引いた“笑いこける”という表現の中に、豊富なバリエーションを発見! ちゃんとあるじゃないですか、まさに“笑って転げる”という表現が。笑いに関する表現は英語圏の人も同じ。転がって笑ったり(rolled about with laughter)死ぬほど笑ったり(laugh oneself to death)、腹を抱えたり(hold one's sides with laughter)もするのです(sidesというのは両脇腹のことらしい)。"laugh one's head off"というのもあったので、これを後に出てくる“笑い崩れる”の訳に使いました。笑って姿勢が崩れれば、体が二つ折りになって頭が下がりますからねえ。

 “わたしとしたことが”が案外むずかしかった。直訳すると"I, of all people"……“人民の中の人民であるこのわたくしが”みたいな、すっげえタカビな雰囲気なのでした。作者的にはどちらかというと、「しまった、わたしったらおバカさん」的なニュアンスのつもりなんですけれども、"I, of all people"という言い回しにその雰囲気があるのかどうか分かりません。あとに続く「村でいちばん頭の良い娘と言われていたあのころには〜」との兼ね合いを考えると、どっちの意味も欲しいんだけどなあ。と、迷うことしきり。思い切って「わたしっておバカさん」を採用。なんでかっていうと、彼女は自分のミスを軽蔑しているのではなくて、歓迎しているのです。

 あと、難しくって笑ったのが“言われるままに”ですね。うまく訳せてないので、“子供の言いなりに”って書き直してエキサイトさせたら、"at a child's yes-man"なんぞという言い回しが(笑)。おとーちゃんは子供のイエスマンだっ!
 しかたない、いつもの逃げ……じゃない、意訳に走ろう。“素直に”を辞書で引いてみる。いくつかあったうち、"gently"を採用。ジェントリーって、もちろん優しくって意味だけれども、素直という意味にも使うのね。おとーちゃんは優しいから子供の細い手に引かれてあげているのでした。

 ちょびっと気になるのは“膝立ちになる”という表現。エキサイト君がこの単語を知らなかったので、“膝で立つ”と書き直して訳させたんだけれども、前置詞のinが正しいのかどうかよく分かんないの。膝の中に立つ? マジで? って感じで。

 ええ、それから今日は、もうひとつ注釈を追加します。「お迎えが来る」というかぐや姫のセリフについてですな。こんなのを。

「お迎えが来る」はかぐや姫のせりふ。また、日本では、老人にとっての死を意味する。

 これはラストエピソード、かぐや姫の死につながる重要なセリフ。こいつが一番のくせ者だった……。
 英語には“お迎え”に相当する便利な単語がない。「誰が」「誰を」「どこへ」迎えに来るというのか? come for meだの、pick me upだの、主語目的語がはっきりしないと使えない言葉ばかり。そのうえ、この表現のかなめとなる「どこかへ連れて行かれる」「迎えが来たらここにはいなくなる」というニュアンスを含む表現が、見つからないじゃないか。
 ちなみに天寿をまっとうする意味での「お迎えが来る」は、英語訳では「仏陀の使いが極楽浄土からわたしと話しにやって来る」というような感じになるらしい。なんじゃそりゃ。
 いやいや、つまりあちらの人の感性では、死ぬと神仏とお話ができる。神仏に話しかけられる、という表現こそが死を意味するのですね。こりゃー使えないや。
 いっそ、連れて行く――take meを使おうかなあと思ったのだが、どこへ? というのに引っかかってしまった。「月へ」とか「あの世へ」とか、具体的に訳すことはできないの。「お迎えが来る」のひとことに、両方の意味をかけているんだから。
 さんざん迷った末に、 "Someone will come for me."を使ってみることにした。ファジーだ。"Where would she go?"なんて突っこまれませんように。

 今日の成果です。

子供たちを促してかきねの戸口に手をかけると、男は思い出したように振り返った。
The man urged children to go and touched the door of hedge, and turned round as remembered something.
「ああ、そうだ……。虹を見るなら月を見ちゃいけませんよ」
"Well..., if you want to see a rainbow, don't look at the moon."
「え、月はだめですか」
"Why? Is that bad?"
「あれは光とは反対の方にかかるものですから」
"Because it appears in a direction opposite to light."
老婆はしばらく黙ったあと、転がるように笑い出した。
She became silent for a while, and rolled about with laughter.
ひどく高くよく通る声だ。
The voice was too sharp and too sonorous.
笑いながら声だけが段々に若返っていき、竹林の暗がりからこだまが返っているかのような奇妙なうねりになっていった。
While she was laughing, only voice was rejuvenated gradually and became a strange surge as if it was echoing from the darkness of bamboo grove.
「そうでした、わたしとしたことが!」
"Certainly! how fool I am!"
父子が驚いて見ているまえで、なおも老婆は笑い崩れている。
While the father and children were surprised and looked, she went on laughing her head off.
「村でいちばん頭の良い娘と言われていたあのころには、こんな間の抜けた間違いは絶対にしなかったでしょうよ!」
"When I was called cleverest girl in the village, I've never make such a stupid mistake!"
子供が飛び帰ってきたかと思うと、父親の腕をしっかりつかんだ。
A child returned confusedly and held his arm firmly.
「帰ろう、お父さん!」
"Let's go, father!"
言われるままに細い手に引かれて出ていこうとすると、“かぐや姫”は膝立ちになって月の光を浴びていた。
When he went away to be pulled by the thin hand of child gently, Moon Princess stood in the knee and was basking in the moonlight.
「これでやっとお迎えが来る」
"At last, someone will come for me."

注釈:
annotation:
「お迎えが来る」はかぐや姫のせりふ。また、日本では、老人にとっての死を意味する。
"Someone will come for me." is Moon Princess's words. And it means death for old people in Japan.
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